ふぐの白子の七輪焼き

主な材料

フグの白子

七輪

備長炭

博多のリリー


 冬に旬を迎える魚の王様はふぐです。下関出身の私にとって、それは絶対譲れません。 子供のころ、私の生家では水揚げされたばかりのふぐが3匹くらいお歳暮に届いていました。それをイチから料理して、家族と正月客で食してしまわなければならないという、今から思えば贅沢なミッションを抱えてのお正月でした。
母はふぐの調理師免許を有していましたので、迷いなくふぐを処理していきます。まず唇を落として皮を剥ぎ、毒のある肝臓と卵巣と目をビニール袋に包んで峻別。皮と内臓を取り除いたら3枚におろし、身はさらしでしっかり包み冷蔵庫で1~3日寝かせます。アラは鍋用に適当な大きさに切り分けておきます。ヒレはかまぼこ板の裏に張り付け天日干しに(もちろん、ヒレ酒用)。皮は固い鬼皮と薄皮にそぎ分けます。ここまでしておくと、お正月に美味しいふぐ料理を楽しむことが出来るのです。
母がふぐの下ごしらえを始めると、私は大急ぎで母のそばへ行きました。今年のふぐの白子の数を確認したかったのです。大晦日に七輪でふぐの白子を焼いて酒の肴にするのが父の楽しみであり、そのおこぼれをもらうのが子供ながらの楽しみでした。「明日になったらふぐをお腹いっぱい食べられる」と思いながら家族で食べる白子の七輪焼きは、口に含むとプリンのようにとろりと溶け、食欲をそそる潮の香りが鼻に抜けるー。それはそれは美味しかったのを今になっても懐かしく思い出します。